事業概要を教えてください。
衛星データとAIなどを活用することで、農業及び環境分野における課題解決を目指す、兵庫県発のスタートアップ企業です。衛星データを用いた耕作放棄地検出が可能である”ACTABA”を開発し、市町村農業委員会に対して提供しています。また、農地を自動で区画化できる技術”AIポリゴン”を開発し、国内外問わず、グローバルの農地を区画化することができます。衛星データを基に土壌評価を行うことができる技術を開発し、これまでの土壌分析の代替やカーボンニュートラルの実現を目指しています。
起業したきっかけや起業を決断できたポイントはなんですか？
大学時代に課題を有する現場に直面し、衛星データ技術を通じてそれを解決できると感じましたが、自分ごとにはなりませんでした。しかし、誰もその課題を解決しないので、自分がやるしかないと思いました。当時は大学生で、リスクに感じる要因もなく、自然とチャレンジができる環境でした。自分と近い関心をもつ人が多くいるコミュニティー等、挑戦しやすい環境に飛び込むことが大事ですね。
起業後の苦労したエピソードやリアルな失敗談を教えてください。
自分自身がプロダクト及び課題が発生している現場へコミットできず、結果として、開発もうまくハマらず、事業を手放す必要がありました。また、その後事業報告の転換を行ないましたが、チームが２回崩壊する状況を経験し、自身のマネジメント能力不足を痛感しました。全てのことを自分がマネジメントしている体制であったことが問題でした。
起業してよかったと感じたことはなんですか？
起業を通じて生み出したプロダクトに対して、使えて良かったと、利用してくれる人が現れたこと。そして、その初期顧客が周りに広めてくれるサイクルに入った時、この好循環が非常に有難いと感じました。自分が信じて開発していたことが間違いでなかったと痛感する瞬間でした。
起業前と起業後で働き方や考え方に変化はありましたか？
どのような事が起きても自己責任と思い、他責しなくなりました。他の人からされて嫌なことを自分はしない、人は怒っても変わらない、と思えるようになりました。全てのことを自分がしなければならない状況でしたが、誰かに信頼を置き、任せる事ができるようになり、自分が最もすべきことに集中できるようになりました。また、環境に束縛されず、どこでも仕事ができると思えるようになりました。
神戸市と接点を持って得られたメリットはなんですか？
500 Startups Kobe Acceleratorは、グローバルの進出のきっかけになりました。また、UNOPSプログラムは衛星データで土壌評価を行うこと、そしてAIでポリゴン形成を行うための起点となりました。さらに、Urban Innovation Kobeを通じて、正式に神戸市農業委員会とACTABAを実証でき、導入にまで繋がりました。また、ひょうご神戸スタートアップファンドの第一号案件となったことを通じて、サグリの技術を大きく発信でき、更なる成長に進みました。
なぜ神戸を選んだのですか？
神戸は、グローバルに挑戦したいスタートアップを応援できる仕組みがあると感じます。非常に立地も良く、どの場所へもアクセスしやすいです。必要な時に、適切な支援を提供してくれる自治体であり、スタートアップが抱えるリスクも一緒に背負って考えてくれます。また、スタートアップを応援する制度が充実しており、様々なプログラムを通じて成長をしています。
スタートアップを始めてみての感想や、働き方・生き方・考え方・人との関り方の変化等あれば教えてください。
スタートアップを始めると、自分自身が願う理想の世界の“実現”や世の中の“課題”を解決するために行動をする事が当たり前となります。そのような状況では、仕事をする事が個人の生き方そのものとなります。成長するに従い、コミュニティーは変わりますが、それは成長している証拠です。
また、何が起きても“自分の責任”だと捉えることで、たとえ予測できないことが起きても対処ができるようになります。
“まち”として神戸の好きなところは？
新神戸駅があり新幹線でのアクセスが良く、三宮駅から徒歩15分~20分で、どの場所にもいけるような密集をなしている環境がいいところです。近くに神戸空港もあり、空の便で行き来することも容易です。神戸空港には社用車を停めており、必要なタイミングで、居住地である丹波に行くこともできます。
これからスタートアップをする人に向けて、一言お願いします！
スタートアップを通じて、何を成し遂げたいか？思いを馳せるものがあれば、その熱を起点に全力で挑戦できる環境は整っているため、全力で挑戦して欲しいです。神戸にはそのような熱のある起業家、大きなビジョンを持って突き進む起業家を支援する仕組みが整っています。
