<インタビューイー略歴> |
塩屋土地株式会社 執行役員 営業部長 南 薫 氏 <経歴> 1968年生まれ愛知県出身。大学卒業後金融機関にて大企業取引・プロジェクトファイナンスを中心とした法人営業に従事。その後、塩屋土地株式会社へ転身し不動産事業を中心とする営業を管轄。2019年7月にスタートアップ創造拠点を目指しコワーキングオフィス「fabbit神戸三宮」を開設、同時に新規事業への取組をスタート。「神戸を元気に!」をコンセプトに様々な分野での新規事業の取組に注力中。 |
塩屋土地株式会社は1957年の設立より60年以上にわたり、より快適な住環境づくりを目指し、住宅・大規模商業施設の開発やリゾートホテル・ゴルフ場・サービスエリア運営などのレジャー施設事業を展開し「まちづくり」に貢献してきました。長い歴史の中で築き上げてきた事業基盤を活用し、新たな歴史を積み上げるべく「ひょうご神戸スタートアップ・エコシステムコンソーシアム」への参画を決めた塩屋土地が描く未来とスタートアップとの連携における期待について伺いました。
※ひょうご神戸スタートアップ・エコシステムコンソーシアム;兵庫県、神戸市、神戸商工会議所が、賛同いただいた企業・団体等とともに、世界で活躍するスタートアップ企業の輩出をめざし、世界に伍するスタートアップ・エコシステム拠点都市の形成による、スタートアップ支援の一層の推進を目的として設立された団体
神戸から世界にイノベーションを起こすようなスタートアップが育つ拠点を作りたい
-まずはコンソーシアムへの参画を決めた理由を教えてください
南氏(以下、南):コワーキングスペース「fabbit神戸三宮」の運営を開始したのが一番大きな契機です。2019年7月にオープンし、直ぐにコロナ禍となったこともあってか、当初はスタートアップの利用が想定していたよりも少なく、スタートアップ拠点として多くの方に利用いただけるような動きができないか模索していました。そんな中、神戸市から、コンソーシアム参画のお声がけをいただき、神戸からスタートアップを育て、活性化するために何か協力したいと思い、参画させていただくこととしました。
–なぜコワーキングスペースの運営を開始されたのでしょうか
南:弊社は60年以上の間、神戸と淡路島で不動産業を中心に事業をしていますが、現在の社長が着任したことをきっかけに、これからの半世紀は神戸に何か恩返しが出来、且つ会社の成長にも繋がるような新たな仕事を見つけていく必要があると考えるようになりました。そのような中で、「fabbit神戸三宮」開設のお話があり、神戸から世界にイノベーションを起こすような企業が育つ拠点をつくり、スタートアップ支援に取り組むことに決めました。
–神戸への恩返しとしてスタートアップ支援を選ばれた理由は何でしょうか?
南:既存の産業だけでなく、新しいチャレンジをする人が神戸に集まりイノベーションが生まれることで、神戸をもっと活性化したいと思っております。神戸が新しいものをどんどん受け入れ、育てていく環境をつくることで、多くのスタートアップが神戸に来るようになれば良いと考えています。弊社は地場に根差した事業をしてきたことから、神戸という地域・特性をしっかり把握した上で新たな事業に取り組むことが出来る基盤があることから、1年程前に社内に新規事業部を立ち上げ、神戸の基盤で何をするのが良いか、何をすべきなのかを日々模索しています。
面白い技術をもつスタートアップを積極的に支援したい
–具体的にスタートアップに対してどのような支援ができますか?
南:土地や不動産のアセットなど様々な施設があるので、事業化を目指した実証実験の希望があれば、実態に即した場所の提供等幅広く協働させていただけます。実際に、弊社の土地を市街地と想定し、ドローンのレベル4飛行(有人地帯での目視外飛行)を目指す実証実験に取り組んだこともあります。また、非常に興味深い事業を展開している会社には、協創にも取り組ませていただいています。多くのスタートアップが神戸に来て欲しいと思っているので、事業シナジーがあるところだけでなく、面白い技術を持っているところであれば積極的に支援したいと考えています。
-なるほど。かなり手厚い支援ですが、スタートアップとはどのような連携を期待されていますか?
南:弊社は様々な不動産を持っていますが、活用できる不動産はほぼ事業化を行っておりますので、まだ事業化出来ていない不動産や資産に新たな付加価値を与えるような新しい技術をもつスタートアップと事業連携していきたいと思っています。私たちは神戸に根付いていろいろな事業をしていますで、そこで培ってきた事業基盤やインフラを提供し、新たな技術をもつスタートアップと連携することで、神戸から新しい神戸に恩返しをしたいと考えております。